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【試験前に必読!】一発アウトからの復活方法 / 一級建築士設計製図試験

一級建築士の合格ノウハウ
  • 試験本番で一発アウトの状況に気付いた時、対応策はあるの?
  • 「これだけは絶対やってはいけない」ということはあるの?

一発アウトの状況に気付いた時、頭が真っ白になります。

でも場合によっては、その状況を回避できるかもしれません

本記事でご紹介する対応策は下記で、本編で詳しくご説明します。

避難NG
対象室に専用(室またぎNGのため)の屋外階段設置 ※面積に注意

〇〇㎡以上 未確保
→ 壁芯位置をズラして算出 ※面積に注意

床面積オーバー
ピロティ、バルコニー、屋上を捻出

筆者のプロフィール
  • 30代一級建築士(26歳取得)
  • ゼネコン建築職:年収800万
  • 平均残業時間:約40時間/月

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一発アウト状況の対応策

ある程度作図が進み全体の再考が明らかに不可能な場合の対応策をご紹介します。

不利な状況に変わりありませんが、もしかしたら合格ラインまで復活できるかもしれません。知っているかどうかで決まる勝負ですので、是非ご一読下さい。

避難NG

気を付けていたはずなのに、コア位置を微調整していたら「避難距離 / 重複距離」がNGになっていた、、、そんな時は、屋外階段を追加してください。

屋外階段を余分に作図しなくてはいけませんが、不合格を回避できるのであれば描かない理由はありません。

屋外階段の幅900mm要確保、対象室が2階の場合は直階段3階の場合は廻り階段でOKです。

一級建築士設計製図試験 屋外階段
【屋外階段】幅900mm確保、柱型との干渉に注意

ただし、以下2点に注意してください。

  • 室またぎNGのため、対象室の専用階段となる
  • 建築面積が増加となる(柱、耐力壁なしのはね出し方式とすれば1mバック適用可能)
  • →テンパったら建築面積に投影面積すべて算入しましょう!
  • ※床面積に算入するかどうかは「Ⅰ.設計条件 2.建築物(2)」によります。

なお、採点官は階段の段数はしっかり数えているのだとか。しっかり描きましょう!

〇〇㎡以上 未確保

要求室の面積について「以上 / 程度」と見間違えており、確保できていなかった、、、そんな時は壁芯位置をずらしてください

例えば、200㎡以上とある要求室を、14m(=7m+7m)×14m(=7m+7m)=196㎡としていたとします。その場合、柱を700mm×700mm→800mm×800mmに変更し、壁芯を端部に寄せます。壁厚が200mmとすると通り芯から300mmふれることになります。

よって、14m(=7m+7m)×14.3(=7m+7m+0.3m)=200.2㎡となる訳です。

一級建築士設計製図試験 多目的ホール 壁芯移動
【多目的ホール:条件200㎡以上】14m(=7m+7m)×14m(=7m+7m)=196㎡でNG
一級建築士設計製図試験 多目的ホール 壁芯移動
【多目的ホール:条件200㎡以上】14m(=7m+7m)×14.3m(=7m+7m+0.3m)=200.2㎡OK
一級建築士設計製図試験 多目的ホール 壁芯移動 拡大図
【多目的ホール:条件200㎡以上】壁芯移動の拡大図

これに準ずる方法は、建築技術教育普及センターが公表する「令和元年12月8日実施の試験問題の標準解答例②」に載っています。1階多目的ホールの面積条件200㎡以上を確保するために、壁芯をふっています。寸法値を入れると丁寧で心象が良いと思います。

ただし、以下2点に注意してください

  • 建築面積が増加となる(外壁側に壁芯位置をずらした時)
  • 床面積が増加となる(外壁側に壁芯位置をずらした時)

仮に上記条件で2階室の壁を移動した場合、下の階の壁もふかすのが適切だと思うので、床面積は14m×0.3m×2層分=8.4㎡増加となります。(※大空間のため、3階は吹抜け想定)

床面積オーバー

面積関係の一発アウト状況はかなり劣勢ですが、最後まで抵抗しましょう。

令和2年設計課題「Ⅰ.設計条件 2.建築物(2)」に下記文があります。

この課題の床面積の算定においては、ピロティ、塔屋、バルコニー、屋外階段、車寄せ及び屋上設備スペースは、床面積に算入しないものとする。ただし、ピロティ等を 屋内的用途に供する部分(駐車場、設備スペース等)については、床面積に算入するものとする。

つまり、この条件であれば、1階には単なるピロティ、2,3階にはバルコニーを計画することで、床面積条件内におさまることができるかもしれません。バルコニーは、一般的に不算入となる2mで計画するのが無難です。要求室〇〇㎡程度の面積は「×0.9」を目安とし、いじめ過ぎに要注意です。

また、状況によっては、3階を一部かき取り屋上とするのも有効です。ただし、これらの処置はオーバーしている面積が比較的小さい場合です。

そもそも計算ミスをしていて、条件から大きく上振れている場合は、計算ミスをした計算表、つまり計算上では条件をクリアしている面積表を記入してください。間違えた数値の記入は自首と同等です。

試験本番で絶対にやってはいけないこと

試験本番で絶対にやってはいけないことは、冒頭で述べたように「練習でやったことがない新しいことをやること」です。(なお、ここでいう新しいことは新出問題への対応は除きます。)

つまり、練習でやったことがないのに「加点されるんじゃないか」という雑念で、余計なことをしないようにしましょう!ということです。

「いやいや、試験本番でそんな時間ないでしょ!」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、エスキスがすんなりハマると、けっこうあり得るのです。

また、採点方法は公開されていませんが「減点方式」であると推察されています。つまり、加点狙いのお節介は悲しいかな無意味です。設計製図試験においては、課題文が全てで、それ以上でも以下でもないのです。

私は本試験でエスキスが比較的スムーズに終わり、作図にかけられる時間が3時間程ありました。ですが、そこで余計なことはせずに見直しに注力しました。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

くどいようですが、試験本番では「加点されるんじゃないか」という雑念に負けて「練習したことがない新しいこと」絶対にやらないようにしてください。製図試験に加点はありません

些細なことでも、本記事の情報がご覧いただいている方のお役に立ち、一級建築士設計製図試験の合格率を上げる一助になれば幸いです。応援しています。

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